Wireless PROでタイムコードを使用する
タイムコードはメディア同期システムで、すべての映像とオーディオを完全に同期させるように設計されています。タイムコードは複数のカメラや音声レコーダーを使用した撮影などの編集作業の時間を短縮するだけでなく、プロジェクト内の特定の場面や瞬間、またはタイムスタンプを参照する際の唯一の信頼できる情報源となります。
基本的にタイムコードはすべての映像・音声ファイルに正確な開始時刻を埋め込む機能です。この時間はフレーム単位に正確なため、各デバイスが異なるタイミングで録画・録音を開始または停止した場合でも、ファイルはすべて何十分の1秒の細かさで合わせられます。
Wireless PROでのタイムコードの仕組み
Wireless PROは、SMPTE(Society of Motion Picture and Television)タイムコード規格のLTCエンコード(Linear Timecode)という最も使われている形式を採用しています。Wireless PRO受信機はタイムコードを使用する環境の場合、マスター源として機能します。つまり、タイムコードはWireless PRO受信機(マスター)から生成され、カメラや音声レコーダーなどの同期デバイス(スレーブ)によって受信されます。
Wireless PROはタイムコード情報をオーディオ信号として出力します。カメラがタイムコードに対応している場合は、直接映像ファイルにデータとして記録しますが、対応していない場合は、マイク録音をするように、カメラのマイク又はAUX入力にタイムコード信号を録音します。このオーディオ信号は編集ソフトウェアでタイムコードとして認識されます。
Wireless PRO受信機 (RX) は自動的に送信機 (TX) にタイムコードを送信するので、送信機のオンボード録音にはタイムコードが埋め込まれていて完璧に同期が可能だが、カメラ側にもタイムコードを記録し、映像ファイルにもこの同期情報を持たせる必要があります。

Enabling Timecode
To enable timecode for your Wireless PRO, connect the receiver (RX) to your computer or phone and open RØDE Central. In Central, click “Wireless PRO RX” in the left-hand menu, toggle the ‘Timecode’ setting on and click on the ‘Timecode Modes’ menu. Here you’ll see a list of the available timecode modes (explained in detail below) – click the “Show Mode on Wireless PRO” toggle (“Show on RX” on mobile) for any mode you wish to have access to on your Wireless PRO system and then click ‘Apply’.
Once the timecode modes you wish to use have been added to your Wireless PRO, you can select them on the receiver by pressing-and-holding the Left and Right Navigation buttons, cycling through the modes with the Left Navigation button until your desired mode is displayed on-screen, and then pressing the Right Navigation button to ‘set’ this mode.

Note
For the Wireless PRO to actively generate timecode, the receiver (RX) must be powered on. If the receiver powers off, unpairs, or falls out of range, the timecode on the transmitters will continue to ‘free run’ until they detect the receiver once more, at which point they’ll seamlessly re-sync. In order for the on-board recordings to contain timecode information, timecode needs to first be enabled using RØDE Central, and the recordings need to be started whilst the transmitters are paired to the receiver.
タイムコードモード1(3.5mmとUSB、Merged合併)
この設定がほとんどのユーザーに適したモードだと思われます。モード1では、両方の送信機からのオーディオ信号は合併されて受信機の左チャンネルから出力され、タイムコード信号は受信機の右チャンネルから出力されます(3.5mmとUSBの両出力)。つまり、カメラは右チャンネルでタイムコード情報を受信し、左チャンネルでオーディオを受信します。 タイムコードに対応していないカメラやデバイスにタイムコードをオーディオ信号として録音する際にこのモードを使用ください。この設定がほとんどのユーザーに適したモードだと思われます。モード1では、両方の送信機からのオーディオ信号は合併されて受信機の左チャンネルから出力され、タイムコード信号は受信機の右チャンネルから出力されます(3.5mmとUSBの両出力)。つまり、カメラは右チャンネルでタイムコード情報を受信し、左チャンネルでオーディオを受信します。 タイムコードに対応していないカメラやデバイスにタイムコードをオーディオ信号として録音する際にこのモードを使用ください。

タイムコードモード2(USBにヘッドセット、Split分割)
モード2は、受信機の3.5mm TRRS出力にヘッドセットを接続し、送信機2台とヘッドセットマイクの音声を別々のチャンネルで録音する場合に使用します。このモードでは、ヘッドセットマイクの音声はUSB経由で左チャンネルに出力され、右チャンネルにはタイムコード情報が含まれます。各送信機はオンボード録音を活用して音声を録音し、3つの入力源はすべて合併されて受信機の3.5mmから出力されるので、ヘッドセットですべての音源をモニタリングすることができます。

タイムコードモード3(USBにヘッドセット、Merged合併)
モード3はモード2と同じように動作しますが、USB経由で左チャンネルに出力されるのはヘッドセットマイクだけでなく、3つのマイク(TX1、TX2、ヘッドセットマイク)の合併出力になります。

タイムコードモード4(USBとモニタリング、Merged合併)
モード4はモード3と同じですが、ヘッドセットの代わりにヘッドホンでのモニタリングに最適化されています(つまり、ヘッドセットマイクの入力はありません)。USB出力には、左チャンネルに両方の送信機 (TX1とTX2) からの合併出力が含まれ、右チャンネルにタイムコード情報が含まれます。これにより、受信機の3.5mm出力がモニタリングするためのヘッドホンの接続に利用できます。

タイムコードモード5(タイムコードのみ/ジャムシンク)
モード5は、受信機のUSB出力と3.5mm TRRS出力の左右両チャンネルにタイムコード信号を送信します。タイムコード対応のカメラやデバイスを使用の場合にこのモードを使用ください。
このモードでは、Wireless PROをマスタークロック源として使用し、複数のカメラやその他の機器を互いに同期させることができます。これはジャムシンク方式で可能。各デバイスの内部タイムコードジェネレーターを同期させるために、Wireless PRO受信機を各デバイスに一時的に接続する作業です。
ジャムシンク方式を使用すると、デバイスの内部タイムコードジェネレーターが完全に一致しないため、時間の経過とともにデバイス間の同期にごくわずかな変動が生じることがあります(ドリフトと呼ばれます)。そのため、正確に同期させるために大体4時間ごと、またはカメラの電源を入れるたびにジャムシンクを行うことをお勧めします。
注: モード5は、SMPTE 規格に準拠した非常に大音量のタイムコード信号を出力するため、このモード中はヘッドホンを Wireless PRO 受信機に接続したり、カメラ経由でこの信号をモニタリングしたりしないことが重要です。もし、カメラに送信されたタイムコード信号が認識されない場合、Wireless PRO 受信機の出力ゲインレベルを上げてみてください、一部のカメラは非常に大音量のタイムコード信号しか検出しません。

Note
Mode 5 outputs a very loud timecode signal that complies with the SMPTE standard, so it’s important that you don’t connect headphones to the Wireless PRO receiver or monitor this signal via your camera while in this mode. With that said, if your camera isn’t recognising the timecode signal sent to it, try raising the output gain level on the Wireless PRO receiver – some cameras only detect very loud timecode signals.
Frame Rate
Before you record with timecode, it’s important to establish the frame rate you’ll be shooting your project at and set the timecode to match it. This forms the foundation for how your timecode keeps track of time, and if it doesn’t match your footage, it will fall out of sync or fail to sync in the first place.
If your selected frame rate is higher than those available in the below list, select the option that divides perfectly into your project’s frame rate (e.g. when shooting in 47.96fps, choose 23.98fps).
- 23.98 fps
- 24 fps
- 25 fps
- 29.97 DF (Drop Frame)
- 29.97
- 30 fps

Note
Some cameras offer a 29.97 frame rate without specifying if it’s drop frame – in this case, check the camera’s documentation to determine which format it is.
リアルタイム
Wireless PROのタイムコードは、「リアルタイム」で生成するか、開始点を選択する「連続」モードで生成するかを選択できます。リアルタイムモードは、お住まいの地域の実際の時刻(RØDE Central の「Clock , Device Time(時計とデバイスの時刻)」で決定)を反映し、HH:MM:SS:FF形式の秒とフレームを含む24時間表示されます。例えば、「14:34:42:12」は午後2時42分、42秒、12フレームを表します。
リアルタイムを無効にすると、Wireless PROのタイムコードは特定の時刻から連続的にカウントアップを開始します。これはRØDE Centralの「Resetリセット」ボタンを押すことで設定できます。
Wireless PROをタイムコード対応のデバイスに接続する
カメラがタイムコードに対応している場合、Wireless PRO から送信されたタイムコード信号を解釈し、この情報をメタデータとして録画に挿入できます。これらのカメラの場合は、タイムコード信号が大きくはっきりと送信されるように、タイムコード モード 5を使用します。
これらのカメラの多くは専用のタイムコード ポートを備えており、その場合はアダプターを使用してWireless PRO受信機の3.5mm 出力からカメラに装備されている形式に変換して接続する必要があります。問題を避けるために、必ず高品質のアダプターを使用してください。
もしカメラが送信されたタイムコード信号を認識しない場合、Wireless PROのファームウェアが最新であることと、タイムコード モード 5が選択されていることを確認し、受信機の出力ゲインレベルを上げてみてください。
下記は、タイムコード入力があり、受信テスト済みのカメラのリストですが、SMPTE 標準形式を受け入れられるカメラまたはデバイスであればすべてWireless PROで動作します。

* これらのカメラはタイムコードを受け入れませんが、リンクされたガイドに従ってタイムコード情報を音声として記録することができます。
Wireless PROをタイムコード非対応のデバイスに接続する
もしお使いのカメラがSony A7s III、Canon EOS R5、Panasonic Lumix GH5 のようにタイムコード入力がない場合、マイク音声を録音するのと同じように、タイムコード情報をマイク入力にオーディオとして録音する必要があります。
この場合は付属のSC2 3.5mm-3.5mmケーブルを使用し、Wireless PROタイムコードモード1を選択します。例えば、USB 経由でスマートフォンに録音している場合は、タイムコード モード2、3、又は4を使用します。ポストプロダクションで映像を同期する方法については、下記のガイドを参照ください。

編集ソフトウェアで映像とオーディオを同期させる
編集ソフトウェアで映像とオーディオファイルを同期させる手順は、カメラがタイムコードを認識するかどうかによって異なります。認識しない場合は、タイムコード情報オーディオを解釈して映像ファイルのメタデータに適用できる編集ソフトウェアを使用する必要があります。残念ながら、Premiere ProでもFinal Cut Proでもこれはできないため、まずこれが可能なソフトウェア(DaVinci Resolveをお勧めします)を使用してタイムライン上にファイルを正しく並べ、次にこのタイムラインデータをお好みのソフトウェアに取り込む必要があります。下記はこのような場合のためのガイドとなります:
タイムコードの制限に関する注記
カメラやその他の録音デバイスは、内部で映像とオーディオファイルの同期をどのように扱うかや、タイムコードをどのように受け入れるかによって異なり、これはタイムコードの同期に影響を与える可能性があります。
Wireless PROシステムは、受信機と送信機の間で内部的に完全に同期していますが、使用するその他の機器の様々な変動要因によって、映像とオーディオの同期がわずかにずれる可能性があります(このずれは、極端な場合、1〜2フレームになる可能性があります)。
この点を考慮しても、タイムコードを使用してファイルを同期させ、1〜2フレームの調整をする方がはるかに早いです。映像やオーディオの録画・録音機器のすべてで、目に見えて、耳に聞こえるクラップなどを録ることをお勧めします。タイムコードを使用してファイルを同期させた後、必要に応じて映像やオーディオの位置を微調整する基準点として使用することができます。